2014年6月30日月曜日

SIMカードとSIMフリーの意味

総務省は、携帯電話会社が販売した端末を他社で使えないようにする機能「SIMロック」の解除を義務化させる方針を固めた。2015年度にも実施する。
http://mainichi.jp/select/news/20140628k0000e020166000c.html
最近、総務省がSIMロック解除を義務化の方針を打ち出した。要するに「SIMフリー」化。しかもこれをDocomoやAUが拒否すると業務改善命令を出すらしく、総務省が強気で本気。

「SIMロック」や「SIMフリー」はたまに話題になるワードですが、結構知ってそうで知らない人も多そう。

そこでまず前提に「SIMカード」の存在を知っておく必要がある。


SIMカードはスマホやケータイを使う認証カード

SIMカードは、DocomoやAUやSoftBankなど携帯電話会社が発行するICカード。ここには利用者情報や電話番号が記録されていて、それをケータイやスマホ端末に差し込まないとネットも電話も使えない。

じゃあ「SIMロック」とは何なのか。

例えば、Docomo用に販売された機種には、DocomoのSIMカードしか使えないように制限をかけられてる。だからAU用に販売された機種に、DocomoのSIMカードを差し込んでも、実はネットや電話は繋がらない。これがSIMロック。

SIMフリーは機種と電話会社を分離させる

言ってしまえば、機種と電話会社はセットの組み合わせだった。それが今回の総務省の決定で、両社が完全に分離される。

例えば、iPhone。現状だとドコモショップで買った場合、ドコモの回線しか使えない。AUの回線を使おうとした場合、AUショップでiPhoneを買い直す必要が生まれる。

でも来年以降は、ドコモショップだろうがAUショップだろうか中古市場だろうが、一度購入さえすればどの携帯電話会社の回線も使えるようになる。

これがいわゆる、「SIMフリー」。

欧米や韓国では完全SIMフリー

じゃあ海外ではどうなってるかと言うと、欧米や韓国では完全SIMフリー。契約した電話会社のSIMカードを入れ替えるだけで、どんなスマホ端末でも使える。

ただアメリカも日本同様に遅れていて、2014年5月にようやくSIMロックを廃止させた。つまり記事を書いてる2014年6月現在、1ヶ月ちょっと前の話。つまり最近も最近。

総務省がやたら強気になった背景も、おそらくアメリカも完全SIMフリーにしたことが大きいはず。日本は何でもアメリカべったりのペット体質。アメリカが右を向けば右を向いて、左を向けば左を向く。色んな圧力もあったのもと伺える。

SIMフリーで日本は今後どうなる?

じゃあSIMロックがなくなることで、日本の消費者はどんな恩恵やデメリットを被るのか。

まず恩恵を列挙すると、格安プランを提供してる携帯電話会社に移りやすくなる。スマホ端末の価格が高価だから、今までだったら携帯電話会社を変わろうとすると、その高価なスマホも買い換える必要があった。そんなハードルが減る。

ただデメリットもあると思う。それが「高価なスマホ端末を買えなくなる」人も激増するかも知れない可能性。スマホ端末が高価と言っても、今までは携帯電話会社が少し負担してくれていた。また分割で支払うことも可能だった。でも、今後そのサービスは多分なくなる。

結果どうなるかと言えば、消費者は8万円9万円近くするスマホを直接現金で買う必要が出てくる。そうなればボロボロのスマホを使い続ける必要性が高まる。

ただ救いもある。サムスンなどの海外勢は「安さ」を売りにしてる。結果、GALAXYは世界的にはiPhoneより普及してる。今後、日本もそういう安い海外製のスマホが普及していく可能性が極めて高いと考えられる。