2014年7月1日火曜日

メッシのドリブル突破がすごい2つの理由

2014年FIFAワールドカップで圧倒的なパフォーマンスを魅せてくれたのが、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ。

何と言っても、特筆すべきなのがドリブル。もはや誰も止められない。3人4人ディフェンダーが寄せて、やっと止められるレベル。

メッシのドリブルが止められないワケには、2つの秘訣がある。


思考の瞬発力

何と言っても、運動能力だけではなく、「思考能力の瞬発力」が圧倒的にすごい。

相手がボールを奪おうとパッと足を出す瞬間に、逆方向へボールをトラップする。相手選手が右から来ると左へチョン、相手選手が左から来ると右へチョン。つまりメッシは相手の一瞬の動きを見て、一瞬でどこへボールをトラップするかを判断してる。その思考能力の早さが抜群。

ボールをチョンと横へ出す「間」も秀逸。トラップするのが一瞬でも早ければ相手に対応される時間を与える、また遅ければ相手選手に足が引っかかる可能性が高まる。ボールを奪われないタイミングでのチョンチョンというトラップが、まさに絶妙。

思考というより、一瞬の「ひらめき力」や「判断力」と表現してもいい。何秒かじっくり考えてるようでは、ボールを奪われるのがオチ。

カカト移動

ただメッシは前提として、自分の動きを相手に「悟らせてない」事実も大きい。

具体的に言うと、メッシはカカト移動してる。関西大学人間健康学部教授・小田伸午さん曰く、「すり足走法」。要するに、つま先を使って走ってない。

人間は強く踏み出そうとすると、つま先に力が入る。そうすると一瞬だけ身体が浮く。いわば自分から動くタイミングを相手に教えてる。だから、その一瞬のムダな動きを読むことで、ディフェンダーは足を出してボールを奪える。

でも、メッシの場合はそれがない。だからいつメッシが加速するかが、相手ディフェンダーは読めない。結果、漠然とした予想で足を出さざるを得ない。そこで逆に、ディフェンダーの動きをメッシは読んでる。思考の瞬発力も手伝って、つまり相手とは逆方向に飛び出せる。

すり足で移動することには、他にも大きなメリットが存在する。足の裏全部で捉えることで、つま先だけより大きな反発力を地面に与えてる。結果、前への強い推進力・加速力を生んでる

つま先だけでは反発力がやはり弱く、またその推進力は「上方向」へ向かいがち。それがムダな上下運動を生んでしまって、相手に動きが読まれるデメリットにも繋がる。

つま先を使わない「すり足走法」と「一瞬の判断力」が重なって、メッシはあれだけ驚異的なドリブル突破が可能となってる。