2014年6月1日日曜日

拉致問題はどうして進展してないの?

北朝鮮に拉致された日本人が帰国したのは、2004年が最後。つまり2014年5月現在、「10年以上」何も進展してないことになる。

この根本的な原因は何なんだろう?と考えると、2006年に発足した第一次安倍政権が進めた、「圧力一辺倒」の政策が原因だよ。

拉致問題の解決なしに国交正常化はありえない」と、日本政府は北朝鮮にただ圧力を強めていった結果、お互いの関係が悪化。話し合うことすら不可能になってしまったんだ。当然、議論すらできない以上、問題が解決されるはずもないよね。

その後、安倍政権は一年で退陣したけど、他の政権に変わったとしても、その強硬な政策は継承。結果、北朝鮮に拉致された日本人の方が、10年近く誰一人として帰って来なくなった。つまり、それは『誤った政策』だと判断してもいいよ。


マスコミは北朝鮮に対する「圧力」を支持

ただ、それを後押し・追認したのが、新聞やテレビといったマスコミなんだよ。ちょっとでも北朝鮮に歩み寄ろうとすると、かなり叩かれた。

例えば、産経新聞。2009年、小沢一郎という政治家が「金銭」による解決を示唆したことを、弱腰であるかのように痛烈に批判。そうやってマスコミが煽った挙句、「何の意味もない」時間だけが過ぎていったんだよ。

ただ2012年に発足した、第二次安倍政権では一転して『方針転換』。2014年5月29日、拉致された日本人の再調査を北朝鮮が始めるだけで、独自の経済制裁を緩和することを決定。

安倍晋三総理自身が、過去の誤った政策を自分で精算するカタチで一歩前身を見せたんだ。この方向性を選んだこと自体は、懸命な判断だったと評価しても構わないとオジさんは思うよ。圧力や武力よりも、平和的な話し合いが効果的だってことかもね。

マスコミは一転して北朝鮮に対する「制裁緩和」を支持

そこで何が面白いのかと言えば、マスコミはこの「北朝鮮に対するアメ」を賞賛したことだよ。

産経新聞については大絶賛だよ。2014年5月30日のコラムでは、安部総理の会見を民法より4分遅れて放送したNHKを、「安部首相の支持率が上がったら癪だ、と思ってる職員がいるはず」と痛烈に批判したよ。5年前に小沢一郎を批判した時とは、180度姿勢が違うよね。

ただオジさんは、おそらく「弱腰外交」批判を恐れた、安倍信者の集団・経営委員会の皆様が、きっと現場に介入したに違いないと疑っているよ。

そうだとしたらオジさん実に残念。安倍政権にとっても都合の悪いことを報道するのが、NHKの役目。何故なら、私たちの受信料で成り立ってるのだから。

まあ基本的にマスコミは何も考えてないってことだね。産経新聞に至っては、もはや安倍晋三という人を賞賛できたら何でもいいんだよ。

北朝鮮が中国と距離を取り始めた背景も大きい

ただ安部首相の成果と言われがちだけど、あと北朝鮮がマブダチだった中国と仲が悪くなり始めた背景も大きいんだよ。

マブダチというより、北朝鮮はずっと中国に助けられていた。でも新しく北朝鮮のトップになった金正恩がそれを不快に思い始め、中国と距離を取るようになったんだ。

結果、北朝鮮は中国以外の国との接触を増やしていかざるを得なくなった。そういう北朝鮮の『方針転換』にも、日本が助けられた感があるよ。つくづく外交問題は難しいよね。

2014年6月1日現在ではまだ予断は許さない状況だけれど、きっと良い方向に向かってくれるとオジさんは信じてるよ。