そこで最後の砦のような位置付けで語られるのが、自衛官という職業。最近では災害現場で「レスキュー隊員」的な役割を果たして、国民的な支持も集めてるとか。
じゃあ果たして、自衛隊は就職先としてアリなのか？を考えてみたいと思う。
自衛官は定年までしっかり働ける？
まずは定年(65歳)までしっかり働けるのかどうか。結論を書くと「65歳まで働くことは不可能」。
陸将など極々限られたトップですら、定年が60歳。それ以下の階級になると更に下がって、最短でナント50代前半。イヤでも転職を考えなければいけない。年金が貰えるのがいずれ65歳になることを考えると、リスクしかありません。
それはまだ幹部だからいい。それ以下の末端自衛官は「任期制」。言ってしまえば、大半の自衛官は『契約社員』みたいなもん。
具体的に言うと、陸上自衛官だったら1年9ヶ月、海上航空自衛官だったら2年9ヶ月。その期間しか働けず、期限が過ぎると自動的に無職。もちろん希望すればその後も働くことは可能だが、おそらくほとんどが30歳を待たずにフェードアウトしてるのが現状だろう。
つまり自衛隊は極めて「不安定な職業」であると言わざるを得ない。その割に転勤も多いので、ハナから『安定』とは程遠いのが自衛官だと言える。
体育会系の職場は苛烈なイジメが多い？
そんな契約社員的な自衛官ですが、肝心の職場環境がどうかを見ていくと、やはり体育会系の人が多いからとにかく「劣悪」。
女性自衛官でも、上司から暴行されたりセクハラされたりは当たり前。もちろん男の自衛官だったら、その暴力はきっと苛烈を極めるでしょう。実際2014年5月23日、海上自衛隊では訓練中に死亡事故を起こしてる。それだけ、体育会系はシゴキやイジメも激しい。
ちなみに、自衛官は「寮で住む」のが義務付けられてる。この寮から出るためには、結婚する以外に方法がない。つまり一度自衛隊に入隊してしまったら、逃げる方法が限られてる。まさに地獄。
とにかく不平不満の嵐。特に、ろくでもない「上司」に対する不満が多い。元ナントカ幕僚長の田母神ナントカを見たら、何となく一目瞭然という感じもしますが、どうやら上司は当たり前のモラルすら持ち合わせてないよう。
まさにTHEブラック！
これから自衛隊は「命に関わる」危険任務が増えていく
今ですら救いようがない自衛官ですが、これから危険な任務だけが増え続ける。日本には憲法9条があったからこそ、自衛官が海外へ派兵されることはなかった。防衛省のサイトでは「世界の平和により役立つために」と、さも自衛官が『平和を守る立場』であるかのように謳ってますが、むしろ自衛官は『平和に守られてきた立場』だった。
それだけに自衛官は「安全なお仕事」だったとも言えるんですが、現在の安倍政権では、とにかく海外で自衛官に武力を使わせたがってる。現在の安倍政権には外交力もないため、中国とも緊張関係が高まってる。
だから今すぐではないにしても、おそらく今後10年20年で、自衛官は一番「殺される可能性が高い」公務員になるはず。
例えば、イラクに派兵されたアメリカ兵は、これまでに最低でも4000人以上が殺害された。また一方、そのアメリカ兵はその比にならないぐらい、子供や女性を含めたイラク人を殺害してきた。
当然、自衛官も海外に派兵されれば、そんなアメリカ兵たちと同じ事態になる可能性が高くなる。殺されるだけではなく、自分のお子さんが「人を殺す」ようにもなる。
果たして、無事日本に帰国できたとしても、その重い事実に当人を含めて、家族としても受け止められるのかどうか。
ましてや現在ですら劣悪な労働環境で、しかも使い捨てのように任期が短い自衛官。果たして、『無責任な上司の楯』になって死ねますか？『国のメンツ』のためだけに命を捧げられますか？また貴方のお子さんが『国のメンツ』のためだけに殺される覚悟はありますか？
…ということを考えながら、自衛官の道を目指すかどうかを判断されたらいいと思われます。