そんな刑事ドラマで必ずと言って出てくるのが、監視カメラ映像を鮮明にするという演出。犯人とおぼしき容疑者の顔をクッキリ鮮明にさせて逮捕…みたいな。水谷豊主演の「相棒」でも、六角精児がやってるイメージ。
ただ現実では、あんなことは不可能。その理屈を簡単に説明してみる。
50年以上前の映像をクッキリ鮮明にできるか?
監視カメラ映像を使ってるの何となく「可能」なイメージが湧くが、それが50年以上100年以上前の映像だとしたらどうだろう?おそらく「不可能」だと直感できる人も増えそう。
常識的に考えて、50年以上前の不鮮明な映像を、現在のフルハイビジョン並に高画質化できるワケがない。
そんなことができたら、カメラのレンズや画素数という存在がどうでもよくなる。それこそオモチャのカメラで撮影した映像が4K並に鮮明な映像にできるなら、誰も最新のビデオカメラを買う必要がなくなる。
ファミコン時代のドラクエ3のドット絵を、精細な3D映像にポンと変えちゃうようなもん。結局10の情報しか入ってない映像を、100や1000の映像にキレイに増やすことは不可能。
つまり犯人を逮捕してほしいという視聴者の願望が、冷静な判断を惑わせてるに過ぎない。不鮮明な映像は、未来永劫も不鮮明なままなのだ。