2014年7月6日日曜日

まとめブログが抱える訴訟リスク

ネットサーフィンをして、おそらく一度は利用したことがあるのが、2ちゃんねるまとめブログ

過激な言論や煽った記事も目立って、ストレス発散に利用してる人も多いのか、毎日数十万から数百万PVというまとめブログもザラ。そこだけを見て自分も始めたいと思ってる人もいるかも知れない。

ただ現状はあまり表立ってないものの、やはり「訴訟リスク」がかなり付きまとうのが現実。


実名を扱う記事は訴訟リスクが高い

例えば、まとめブログは事件記事を扱ってることが多い。実際、2ちゃんねるで書き込み(レス)が多いのは、「ニュース速報」に関する板に限られる。転載する側の立場に立てば、書き込みが多ければ多いほど転載もしやすくなることは容易に想像がつく。

ただ事件記事は、色んな問題を孕みやすい。「実名報道」が最たる例。

当然、逮捕されてもイコール犯人というわけではない。あくまで「裁判所で判決が確定」した時点で、やっと公で『断言』できるようになる。つまり新聞やテレビですら「容疑者の実名報道」はかなりグレー

だから大手の新聞社ですら、一定期間経過すればネットにアップした記事を削除してるのも、それが理由。それだけ『容疑者に対する人権』を、ほんの少しだけ配慮してる。ずっと掲載し続けることは、それだけ大きな人権侵害に繋がる。

でもまとめブログの場合、記事の削除や容疑者名の削除を行っているかと考えると、ほとんど行われていないのが現状。

犯罪者ではない一般人では更にリスクが高い。

ましてや犯罪行為ではなく、単なるイタズラレベルであっても集中的に取り扱うことが多い。いわゆる「Twitter炎上」。ま、そのくせセクハラヤジの自民党議員を擁護してるまとめブログも多かったりするんですが、PVアップのため執拗にはやし立てる。

そこには不確定な情報も多く、実際デヴィ夫人が間違った情報で無関係の人物を貶めて、民事裁判で165万円の賠償金の支払いを命じる判決が出た。

もちろんそれが正しい情報だったとしても、大手の新聞社が容疑者氏名を削除してるのに、犯罪者の可能性ですらないTwitter炎上の人物に関する記事を「削除しないリスク」はかなり大きい。

まとめブログは毎日10~20以上の記事を更新してるブログも多く、記事総数は余裕で1000・2000を超えてることもザラ。管理が大変だからこそ、一度掲載したら掲載しっぱなしになりがちなんだろうが、逆に言えばそれだけまとめブログは潜在的に「訴訟を起こされる」可能性が高い

大手まとめブログほど賠償額が跳ね上がる理由

ましてや、まとめブログは毎日数十万~数百万以上のアクセスがあるブログが多い。月にしたら、数千万アクセスを超えてるブログもザラだろう。

つまり、それだけアフィリエイト収入も莫大。おそらく月に数百万円から数千万円稼いでるブログ主も多いはず。念を押すと、それは年単位ではなく「月単位」ですよ。

例えば一日1万PVのアクセスがあれば、おそらく500~3000円以上は稼げる。だから一日100万PVのアクセスがあったら、最大で一日30万円以上は余裕で稼いでるブログもあるはず。つまり1ヶ月30日だとしたら、月で900万円。

改めて、まとめブログはボロい商売だと言えますが、当然、アクセスが多ければ多いほど、同時に被害の深刻度が増す。またまとめブログの社会的地位も高まってるからこそ、被害者に与える影響が大きい。それだけ賠償金の額も増すと考えられる。

デヴィ夫人のブログ順位は200位台。アクセスもたかだか知れてると思うんですが、それでも賠償額が165万円前後だった。デヴィ夫人のブログの数十倍のアクセスがあるであろう、まとめブログの管理人はそれをどう読み取るのかということ。

被害者は訴えやすい

だからまとめブログ相手に裁判で勝ったとしても、被害者は賠償金の取りっぱぐれが100%ない

結局訴えられる側がお金を持ってない限り、いくら裁判で勝ったとしても無い袖は振れない。でも、間違いなく大手のまとめブログは大金を稼いでる。数千万円の賠償額でも余裕で支払ってくれるだろう。

それだけ被害者側が裁判所に提訴するハードルが低くなる。裁判費用は賠償金で相殺すればいいだけだから。一度訴訟が起こされ出だすと、醜聞週刊誌のようにその流れは止まらなくなるはず。

ということで、Twitter炎上の被害者などは、一度まとめブログ相手に訴訟を起こされてみてはいかがでしょう?過払い金大好きな弁護士センセー方も、一度裁判を手伝ってあげても面白いかも。